2009-01-01から1年間の記事一覧

活字地金彫刻師・清水金之助さんの個展 実演、1月10日に開催

※清水さんに再度直接お聞きして、開催情報を少し変更しました。(2010/01/06)来年1月10日に、活字地金彫刻師の清水金之助さんが88歳のお誕生日を迎えられます。米寿記念として、大田文化の森で第二回個展を開催されるそうです。←個展というより、実演会と考…

『グラフィックデザイナーの肖像』

携わってきた書籍が、昨日、発売されました。 『グラフィックデザイナーの肖像』。 語るのは、デザインの歴史を築いてきた先達たち。問うのは、今、第一線で活躍するデザイナー。 日本のデザインの歴史、創造の原点を問い、語る。 日本のデザインの礎を築い…

アトリエ空中線10周年記念展「インディペンデント・プレスの展開」

ポスターハリスギャラリーで開催されているアトリエ空中線10周年記念展「インディペンデント・プレスの展開」を観に行ってきた。 アンデパンダン=自主独立な画家・作家たちのインディペンデント出版作品集を 独創的な造本で制作しつづけて高い評価を得る間奈…

継がれゆく核心、変わりゆく創造ーー『デザインノート』No.28で資生堂CI

『デザインノート』*1No.28が発売されました。特集テーマは「CI、VI、ブランディングのデザイン 注目の企業・商品のロゴマーク『成功の方程式』」。今回、久々に取材執筆しています。担当したのは、資生堂のCI、VI。資生堂はさかのぼること約140年前、1872年…

文字百景マラソン002 やげん彫り

文字百景002号は、001号でウィーンを訪ねた戸狩淳二氏が、今度は白川で石のエリクチュール*1をたどる。彼の心をとらえたのは、白川城の搦め手(裏門)に刻まれた「感忠銘」という巨大な石碑だった。その特徴は“やげん彫り”で文字が刻まれていること。やげん…

文字百景マラソン000 マラソンのはじまり

ここしばらく、文字の本を作るべく、取材をして回っているけれど、わたし自身は専門家ではないので、文字に対する知識がまだまだ足りない。なにか自分自身に課題をつくらないと、読んでいない資料がたまるばかりなのではないかという危機感がずっとある。い…

文字百景マラソン001 石のエリクチュールをたずねて

文字百景001号は戸狩淳二「石のエリクチュールをたずねて」。“エリクチュール”とは「筆跡・表現法」のこと。戸狩氏が石に刻まれた文字に興味をもつきっかけとなった、建築家アドルフ・ロース(1870-1933)の墓標との出会いをみずみずしく記している。読み進…

“向こう側”への想像力

以前、ある方と話していて、「世の中にあるほとんどすべてのものがデザインされていることを考えると、デザインというのはとても身近なことなのに、学校でデザインについて学ぶ機会がほとんどないというのは不思議なことだ」という話になったことがある。身…

「三保谷硝子店 101年目の試作展」創造と技術の関係

先週、11月8日まで開催されていた「三保谷硝子店 101年目の試作展」を観に行ってきた。場所はアクシスギャラリー。 国産のガラスが産声を上げて間もない1909年(明治42)に創業した三保谷硝子店は今年100周年を迎えた。その家業が大きな転機を迎えるのは1970…

『デザインのひきだし 8』でプリンティングディレクター・熊倉桂三さんにインタビュー。

“プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌”『デザインのひきだし』8号が発売されました(1カ月半前に……。すみません!)。連載企画「名工の肖像」*1で、プリンティングディレクター・熊倉桂三さんにインタビューすべく、富山市の山田写…

「朝鮮民謡と生マッコリを楽しむ会」参加者募集中!

昭和のくらし博物館で12月6日(日)13:30〜15:30、企画展関連イベント「朝鮮民謡と生マッコリを楽しむ会」が開催されることになりました。企画展制作メンバーとして、僭越ながらわたしも解説トークをさせていただきます(担当はマッコリです)。当日はおいし…

「あなたは素晴らしい」と伝えること

季節はすっかり秋になってしまったが、「サマーウォーズ」を観てきた。子どももわたしも楽しめる映画だった。くわしい話はさておき、観終わってからずっとつらつらと考えていることがある。主人公・健二が、ヒロイン夏希の曾祖母・栄と花札勝負をしていて、…

「建築家 坂倉準三展」でグッドデザインの原点にふれる

先日、パナソニック電工 汐留ミュージアムで開催中の「建築家 坂倉準三展 モダニズムを住む 住宅、家具、デザイン」展に行ってきた。 昭和の激動を刻んださまざまな出来事や社会的課題に、坂倉準三は建築作品のみならず、他の領域のクリエイター達と関わりな…

「天童木工PLYコレクション展 天童木工とデザイナーの軌跡〜坂倉準三建築研究所/長大作」

「建築家 坂倉準三展」を観た後、エキサイトイズムの記事「Web Magazine「エキサイトイズム」 | ism.excite.co.jp」で天童木工PLYの展示のことを知り、足を運んできた。 卓越した成形合板(プライウッド)技術で知られる老舗家具メーカー天童木工。昭和15年…

ブログ「文字の本を作っています。」

1週間ほど前に、「文字の本を作っています。」というブログを立ち上げました。少し前にこっそりとこのブログのサイドバーにも更新情報(RSS)を貼りつけたので、もしかするとお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。2010年に向けて、文字(書体・フォン…

決して減らないものを目標に据える

2009年9月13日、米大リーグ、シアトル・マリナーズのイチローが、大リーグ史上初の9年連続シーズン200安打を達成した。108年ぶりの記録更新だという。ふだん野球はほとんど見ないのだけれど、これはどうやら大変なことだぞ、と思い、14日に放映されたNHK「ス…

企画展「ポッタリ一つで海を越えて」−−昭和のくらし博物館

9月5日(土)から始まっている昭和のくらし博物館の企画展「ポッタリ一つで海を越えて」の展示作りおよび図録執筆*1を、研究会メンバーの一人として手がけました。「ポッタリ」ってなんだろう? と、このタイトルを見て思われている方が多いのではないかと思…

「サンデー・マガジンのDNA」「堀内誠一展」「赤塚不二夫展」

最近、川崎市民ミュージアムの「サンデー・マガジンのDNA」、世田谷文学館の「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」、松屋銀座「追悼 赤塚不二夫展 ギャグで駆け抜けた72年」の3つの展覧会を立て続けに観てきた。堀内誠一、赤塚不二夫、どちらも天才である。堀内…

活字直彫師・清水金之助さん「ぶらり途中下車の旅」出演

9月5日(土)9:30〜10:30 日本テレビで放映される「ぶらり途中下車の旅」(注:リンク先、音が出ます)に、活字直彫師の清水金之助さんが登場される予定だそうです。文字好きな方、手仕事・匠の技に興味がある方、要チェックですよ。清水さんとは → http://d…

昭和のくらし博物館の展示替え

9月1日、2日の2日間で、昭和のくらし博物館 企画展の展示替えをしてきた。わたしが企画展の勉強会メンバーに加わったのは3年前だけれど、手がけた展示はこれで2つめ。前回の企画展「家で病気を治した時代」は2年間行なっていたんである。通常、企画展の展示…

ラストショウ:細谷巖アートディレクション展

8月18日、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)に「ラストショウ:細谷巖アートディレクション展」を観に行ってきた。 1階には細谷巖の自選ポスター(22点)新聞広告(2点)が展示されています。自選と言っても社会的評価が高かった作品ばかりです。すで…

第1回ARGフォーラム「この先にある本のかたち」に行ってきた

開催からずいぶん経ってしまったが、8月17日(月)学術総合センター 一橋記念講堂において開催された第1回ARGフォーラム「この先にある本のかたち−我々が描く本の未来のビジョンとスキーム」を聴きに行ってきた。登壇者は国立国会図書館長の長尾真さん、慶應…

「俺が社長だ」

読んでいた本の一節から。 山田 どんな苦労でも、自分の為だと思えば楽しめる。だからサラリーマンやってても、常に「俺が社長だ」みたいな気持ちでいればいいんじゃないかな。任された仕事に関しては、すべて自分の責任なんだから。上司に言われたからとか…

やさしいねこ。

おむかえの帰り道、あちこちで猫を見かけるたびに立ち止まり、子どもと一緒にひとしきり話しかける。時折、人なつこい猫がいて、ゴロゴロと喉を鳴らしながら甘えに来てくれる。子どもは最初はおっかなびっくり、しかし慣れてくるとそれはうれしそうに、猫の…

ポメラがうちにやってきた

先月の半ば、デジタルメモ「ポメラ」を購入しました。色はトワイライトオレンジ。購入するほんの少し前まで、まったく買う気がなかったのです。外でものを書くことがあるとはいえ、外出頻度がものすごく高いわけでもないし、ノートPCもあるし(MacBookは重い…

在り続けてほしいもののために、自分ができること

突然だが、Jリーグの清水エスパルスが好きだ。よく試合を観に行くようになったのは1998年ごろ。少ししてから後援会に加入して、以来ずっと後援会員だ。そんなに急激にのめりこんでしまったのか。もちろんとても好きだから入ったのだけれど、理由はそれだけじ…

活字直彫師・清水金之助 個展

6月28日(日)、大田文化の森の一室で活字直彫師・清水金之助さんの個展が行なわれると聞き、行ってきた。活字直彫(活字地金彫、種字彫刻)とは、活版印刷で使われる活字のもととなる母型(凹型)を作るための、さらにもととなる種字(父型)を、鉛と錫の合…

五十嵐威暢「マケット展」

南麻布design shop + galleryに五十嵐威暢「マケット展」を観に行ってきた。 彫刻家 五十嵐威暢の世界を身近に感じられる、作家初の試みとなる「マケット展」を開催します。本展は作家自身が製作過程に生み出した模型(=マケット)たちを作品として再解釈し…

アートスペースVEGAの「紙袋を折りかえる・展」

自分自身のルーツと正面から向き合うことの大切さ。大きな歴史の流れのなかに確かに自分自身がいる、すべてはつながっているのだということ。そのことを痛感した体験だった。遠く連なる立山連峰、豊かに繁る木々の葉。青々とした稲のあいだを駆け抜けてゆく…

白えびづくし

一泊で富山に行ってきた。ひとつは、ある匠に取材するため。もうひとつは、かつてから訪ねたいと思っていた場所で展覧会を観るため。本当に得難い体験をした2日間で、行ってよかったと心から思う。くわしくはまた追って書くつもり。とりあえず、名産の白えび…