2008-01-01から1年間の記事一覧

2009年は「形にする」

気がつけば、あと数十分で2008年も終わりです。 クリスマスの日に『文字講座』を責了して以降は、年賀状やら大掃除やら、年越しの準備で怒濤の日々。またたく間に日が過ぎてしまいました。2008年も良い出会いに恵まれた一年でした。皆様に感謝です。ありがと…

とりあえず責了。

またしても前回の更新から10日以上経ってしまいました。2008年も残りあとわずか。 さてさて、予告をしてから音沙汰無しにしてしまった書籍『文字講座』ですが、12月25日に版元の誠文堂新光社さんに1日詰めて、三校のチェックをしてきました。本紙校正も出て…

文字は語る「山本太郎さんに聞く 美しいタイポグラフィの追求 アドビ システムズの取り組み」

取材・執筆を担当している月刊DTPWORLDの連載企画「文字は語る」の2009年1月号*1では、アドビ システムズの山本太郎さんに「美しいタイポグラフィの追求」と、それに対する「アドビ システムズの取り組み」についてうかがってきました。 私たちはデジタルフ…

あて名じゃない。

請求書を郵送するとき、封筒に「請求書在中」という文字を入れています。これまで手書きをしていましたが、ぼんやりしながら書いてふと見ると、「請求書御中」となっているのです。ちーがーうーーー!癖になっているのか数回その間違いを繰り返してしまい、…

消える専門職【追記あり】

12月13日(土)、活字研究会で活版印刷に関連するビデオの放映会を行なうとのお誘いを受けて、参加してきた。上映されたのは次の映像*1。 NHK歴史ドキュメント「海を渡った李朝活字 〜家康の大出版計画〜」1987.2.21 「秀英体活字と組版 その手が文字を作る…

手作業が基本

レイアウトラフを描いていた、ある日の昼下がり。写真点数が多くてうれしい悲鳴を上げながらセレクトするものの、生来よくばりなもので、あれもこれも載せたくなる。これを載せるならあれをやめよう、いやしかしこっちのほうが……とやってるうちに、混乱して…

グーテンベルク「42行聖書」の前で

印刷博物館の企画展「ミリオンセラー誕生へ! −明治・大正の雑誌メディア−」を観た後、総合展示を駆け足で。何度か訪れていながら、いつも十分な時間がとれず後悔します。今回はグーテンベルク「42行聖書」原葉の前で立ち尽くしてしまいました。 いま作って…

「ミリオンセラー誕生へ! −明治・大正の雑誌メディア−」展

印刷博物館で12月7日(日)まで開催されていた、「ミリオンセラー誕生へ! −明治・大正の雑誌メディア−」展を観てきました。会期終了が迫っていた土曜日、午後から別の場所でセミナー聴講の予定があったので1時間強しかいられなかったのですが、どうしても観…

文字の本を作っています。

早くも12月第一週が終わり……。 年末進行ということで、12月というのは例年バタバタするのですが、いくつかの仕事が佳境を迎えているというのは前のエントリーにも書いたとおり。そんな仕事のうちの一つが『文字講座』(誠文堂新光社刊/1月下旬発売予定)と…

「心のミルク」で書評を11冊分追加

すっかり更新をご無沙汰してしまいました。早いもので、もう12月ですね。いろんな仕事が佳境を迎えて激流のただなかにあります。 さて、子育て・孫育てのサイトユウchanの朝日新聞連動企画、「心のミルク 大好きな人に、想いを重ねたプレゼントを。」で、絵…

福田繁雄展「ハードルは潜(kugu)れ」

リクルートの2つのギャラリー、クリエイションギャラリーG8とガーディアン・ガーデンで開催されている展覧会、タイムトンネリシリーズVol.27福田繁雄展「ハードルは潜(kugu)れ」を観てきました。 本展では、福田氏のデビュー当時から現在に至るまでを、二…

文字は語る「葛西薫さんに聞く ロゴタイプ」

取材・執筆を担当している月刊DTPWORLDの連載企画「文字は語る」2008年12月号*1は、サントリー烏龍茶やユナイテッドアローズの広告で知られるアートディレクター葛西薫さんの登場です。サントリーのコーポレートロゴやTORAYA CAFE、雑誌『ku:nel』など、数々…

わたしたちは良いものを残さねばならない。

職人が代々受け継いできた技は、言葉や数値で表せるものではないといいます。これまで何人かの職人を取材してきましたが、みなさん口をそろえていうのは「こうしなさい、こうするといいと教わったことは一度もない」ということでした。しかしそれは決して意…

「身体が楽器になる」という快感

旧知の友人たちのライブがあり、聴きに行ってきました。お昼の神田でおとなの渋い音楽です。なんだか不思議。ライブハウスで音楽を聴くのは、ずいぶん久しぶりでした。楽器が奏でる音がふるわせる空気を直に感じられて、ライブって気持ちがいいな、としみじ…

力を高めるには

「なにかの能力を高めたい、けれどいまは力がない」という時は、まず第一に、それを仕事にしてしまうといい。「能力をつけてから仕事をしよう」と思っていては、いつまでも能力などつかないのです。仕事というプレッシャーのなかでこそ、短期間で能力を高め…

文章力の“大リーグ養成ギプス”を装着してみる。

前回のエントリーでも取り上げた日垣隆氏の『すぐに稼げる文章術』に、こんな一節がありました。 「です」「ます」調は大リーグ養成ギプス 試しに、文章を「です」「ます」調で書いてみてはいかがでしょうか。なぜ「です」「ます」調のほうが「である」調よ…

『すぐに稼げる文章術』日垣隆

『すぐに稼げる文章術』とはまた、なんともえげつないタイトルである*1。「これ読んだよ」と言うのがためらわれるくらいに。けれど、ちょっと待てよ。「すぐに稼げる」というと、片手間にちょちょいっと文章を書いて簡単にお金が稼げますよ〜というアヤしい…

人生は螺旋状

昨日のエントリー「「MediaMarker」で蔵書管理 - 雪景色」で書いたように、蔵書管理ツール「MediaMarker」を使い始めたことをきっかけに、積ん読発掘・撲滅運動に火がついている。今日はしばらくちゃんと眺めていなかった本棚を見直してみたら、引っ越しや幾…

「MediaMarker」で蔵書管理

どうもわたしは、食べ物と本にはお金を惜しまない性質のようで、気になる本を見かけるとつい次々と買ってしまう。さらに2つの図書館に定期的に通っているのだけれど、そこでも毎回どかどかと本を借りてきてしまう。しかしなにしろ遅読なもので、そんなに読め…

「村野藤吾 ・建築とインテリア ひとをつくる空間の美学」展

パナソニック電工 汐留ミュージアム*1で本日まで開催中の展覧会「村野藤吾 ・建築とインテリア ひとをつくる空間の美学」を、先日観てきた。 ヒューマニズムを基調とする独創性に富んだ作風を特徴とし、近代日本の建築界でつねに重要な位置を占めてきた村野…

池田晶紀個展「太陽とみどり」

「KANZAN あきち(仮)」で開催されていた写真家・池田晶紀さんの個展「太陽とみどり」を観てきた。 七五三、成人式、結婚式など人生の晴れ姿を記録する写真館。 そんな写真館の息子として育った池田が、2003年からはじめたシリーズ『休日の写真館』は…

「白」原研哉展

ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で行なわれている「白」原研哉展を観てきた。 シンプルさの中にある、洗練された美しさ。未知なるデザインの課題に挑戦し続ける原 研哉。 今回の展覧会は、余分なものをなくすこと、そして、ものの本質を知ろうとす…

Helvetica展「A tribute to Typography 〜ヘルベチカの過去・現在・未来」

ラフォーレミュージアム原宿で昨日からスタートしたHelvetica展「A tribute to Typography 〜ヘルベチカの過去・現在・未来」を観に行ってきた。 1957 年に、スイスのハース鋳造所でエドワード・ホフマンとマックス・ミーディンガーによってデザインされたと…

「歴史を学んでなにになるの?」

歴史を学ぶ、研究するということは、実用的ではないかもしれない。だからよく、歴史の研究者に向けて、タイトルのような質問が放たれるそうだ。けれども、歴史を知ることは無意味なことだろうか?進むべき未来がわからなくなったとき、来し方を振り返ること…

文字は語る「グループ・タイポに聞く 漢字タイポスの設計思想」

取材・執筆を担当している月刊DTPWORLDの連載企画「文字は語る」、2008年11月号*1は、「漢字タイポス」に新たなウェイトが追加されたことを受け、グループ・タイポの桑山弥三郎さん、伊藤勝一さんに「漢字タイポス」の設計思想について語っていただきました…

「NEO JAPAN STYLE PACKAGE」展

竹尾見本帖本店2階で行なわれている「NEO JAPAN STYLE PACKAGE」展を観てきた。 今、改めて日本の包装について考え、学び、その根底にある 日本の「モノ」や「コト」や「ヒト」に対する感覚を 自分たちの中に呼び起こし、 現在に生きるデザイナーとして応用…

ゼラチンシルバーセッション08展「Save The Film」

アクシスギャラリーで開催されていたゼラチンシルバーセッション08展「Save The Film」を観た。 フィルムを使用する「銀塩写真」は世界的なカメラのデジタル化により、市場規模が急速に縮小し、消滅しつつあります。それは銀塩写真でしか表現出来ない独特の…

謎は決して解き明かされないし、悩みは尽きることがない。

若いころは、なんでも白黒はっきりしないといけないものだと思っていました。いまは悶々と悩んでいるけれど、どこかにきっと悩みのまったくない世界が開けているのだと信じていて、どうにかしてそこにたどり着きたくてもがいていました。努力すればわからな…

『デザインのひきだし 6』で種字彫刻師・清水金之助さんにインタビュー。

“プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌”『デザインのひきだし』6号が発売。前号からスタートした連載「名工の肖像」*1、今回は種字彫刻師・清水金之助さんにご登場いただきました。種字彫刻とは、活版印刷で使われる活字のもととなる…

一人の人間とその時代を自分の力で学び取る以外に、歴史を学ぶ方法はない。

ふとしたきっかけで、朗文堂が1995〜1999年にかけて刊行していた小冊子文字百景 全100冊を入手した。そのなかの一冊、河野三男さんがスタンリー・モリスン*1について書かれたシリーズの冒頭にあった文章に強く引き寄せられて、その部分を何度も読み返した。 …