アトリエ空中線10周年記念展「インディペンデント・プレスの展開」

ポスターハリスギャラリーで開催されているアトリエ空中線10周年記念展「インディペンデント・プレスの展開」を観に行ってきた。

アンデパンダン=自主独立な画家・作家たちのインディペンデント出版作品集を
独創的な造本で制作しつづけて高い評価を得る間奈美子主宰の〈アトリエ空中線〉。
その孤高の活動の10周年を記念して、全制作書籍・約120点を一挙展覧します。
書籍それ自体が作品であり表現である自主制作出版のあり方を模索しつつ、
作家たちと向き合いながら、編集・造本・組版・印刷製本設計・配本まで一貫して取り組み、
内容にふさわしい本の形を一つひとつ送り出してきたアトリエの全貌が初めて明かされます。

http://posterharis.com/gallery.top.html

谷東急本店のほど近く、ひっそりとした細い路地を入った突き当たりにあるこぢんまりとしたギャラリーに、たからもののような本たちが並べられていた。作品や作家の思いにまっすぐに向き合い、その内容をひとつひとつ丁寧に造形に写しとった本たち。本の外側だけでなく、編集や組版、印刷製本設計、配本まで、それぞれにふさわしい形で送りだされてきた、愛おしい本たちだ。「自主刊行・自主流通であることの自由と/作品自体を造本に反映させたいと思っている」という言葉が、会場に掲げられていた。“空中線”とは「アンテナ」のことだそう。彼女ーー間美奈子の張り巡らせる繊細で高感度なアンテナは、たしかにその作品にこめるべきなにかを受信しているのだと感じた。ちょうどその前の取材で聞いたばかりだった「印刷物はもともと総合芸術」という言葉を思い出した。

展覧会は12月6日(日)まで。

*ポスターハリスギャラリー http://posterharis.com/gallery.top.html
*アトリエ空中線 http://www.cam.hi-ho.ne.jp/kuchusen/