2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

永遠のアマチュア

もうひとつ、五十嵐威暢氏の本から。 僕が尊敬するデザイナーの名前を挙げてみよう。ハーバート・バイヤー、マックス・ビル、マッシモ・ヴィネリ、エンゾ・マリ、イサム・ノグチ。この他にもいるけれどこのくらいにして、彫刻家のイサム・ノグチが入っている…

「デザインすることは生きることと同じだと思う」

五十嵐威暢氏の本を読んでいたら、こんな言葉があった。 ちょっとキザな言い方かもしれないが、デザインすることは生きることと同じだと思う。人はどうやって自分らしく生きるかについて悩んでいる。デザイナーとしてなら、自分らしく何を表現するのかという…

「家具講座」のお知らせ

昨年発足した家具道具室内史学会*1が、家具の連続講座を開くそうです。学会に所属していなくても参加できますので、よかったらぜひ。家具史の第一人者・小泉和子先生から和家具や日本における洋家具の歴史、しつらい方などさまざまな知識を直接学ぶことがで…

湯本香樹実の本

はずかしながら読書量があまり多くないわたしだが、好きな作家は何人かいる。そのうちのひとりが湯本香樹実さん。ゆえあって前に別の場所に書いた感想を引っ張りだしてみる。そういえば、酒井駒子さんとの絵本『くまとやまねこ』をまだ読んでいない。湯本香…

秋田道夫写真展「空気のてざわり」

天童木工PLY*1で開催されていた、プロダクトデザイナー・秋田道夫さんの写真展「空気のてざわり」を2月22日(日)に観てきた。最終日だった。 わたしの写真は多くの場合、人やモノがその画面の中央を占める事がありません。 美とは単独のものではなくてその…

「Helvetica forever: Story of a Typeface ヘルベチカ展」

土曜日、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)に「Helvetica forever: Story of a Typeface ヘルベチカ展」を観に行ってきた*1。 誕生から半世紀を経た現在でも、最も知られた欧文書体として根強い人気を保ち続けている「ヘルベチカ」。今回の企画展では…

文字は語る「大島依提亜さんに聞く 映画と文字」

取材・執筆を担当している月刊DTPWORLDの連載企画「文字は語る」の2009年3月号*1で、大島依提亜さんに「映画と文字」についてうかがってきました。 映画というそれ自体がビジュアル表現であるものを、グラフィックデザインに落とし込み、その魅力を伝えてい…

しあわせの味

ホットケーキが好きだ。子どものころから、ずっと。おいしいホットケーキの話を聞くと、食べずにはいられなくなる。人形町に「カフェテラス ワコー」という喫茶店がある。ある方から「とても美味しいナポリタンを出してくれるお店がある」というお話を聞いた…

ライター(編集者)の役得

そういえば、8日(日)に小宮山さんと鳥海さんのトークショーに行った時、『文字講座』の講師をされた白井敬尚さん、杉下城司さんが会場にいらしていたので、ごあいさつしたのだ。すると、杉下さんから「そうとう勉強したんじゃないですか」と。まさに書きな…

小宮山博史×鳥海修「活字デザイン今昔」

青山ブックセンター本店で2月8日(日)に行なわれたトークショー「活字デザイン今昔」に行ってきた。 http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200902/_200928.html 小宮山博史さんの著書『日本語活字ものがたり』の刊行記念イベントだ。日本語活字ものがたり―草創…

封筒? チラシ?

たまたま見かけたこのチラシ。2月14日〜3月29日まで世田谷文学館で行なわれる「進める荒井良二のいろいろ展」のもの。手に取ってみたら、むむ?袋状になっていた。なんでだろう? なにかしかけが隠されているのかな? チラシのすみからすみまで、そしてサイトの…

すべての創造の源は

先日、粟津潔展を観に行ってから、会場に散りばめられた粟津氏の言葉に惹きつけられ、その著作を読みたいと強く思うようになった。そこで最初に手に取ったのが『粟津潔 デザインする言葉』。この本は、彼が1960年代から今日に至るまでさまざまな書籍で考察し…

言葉が身体を重くする。

「忙しい」と言うのをやめよう。その言葉を発するたび、自分のものだったはずの時間は他人主導のものとなり、身体は重く、新たな場所に向かうことへの躊躇が増す。物事への反応が鈍る。「忙しい」と言うたび、逃げ場をつくることになる。できないことへの言…

昭和レトロな広告たち 〜江戸東京たてもの園その4〜

昭和初期の商家が集まる江戸東京たてもの園の「東ゾーン」は、建物が復元されているだけでなく、なかに置かれたさまざまな小物がリアリティをかもしだしていて、とても楽しい。たとえば銭湯「子宝湯」には、たくさんの広告が掲示されていた。ハイセンスなあ…

“干し物”がうみだす生活感 〜江戸東京たてもの園その3〜

前エントリーまでに紹介した江戸東京たてもの園の写真は、おもに「西ゾーン」と「センターゾーン」、山の手通り沿いの建物たちを写したものだった。これら2つのゾーンでは主に住宅が復元・展示されている。いっぽう、「東ゾーン」には昔の商家が集まり、下町…

美は細部に宿る 〜江戸東京たてもの園その2〜

江戸東京たてもの園の建物たちは、それぞれ外観をながめるのも楽しかったけれど、なにより細部に行き届いた美意識というか、作り手のこだわりに感嘆することしばしだった。たとえば、高橋是清邸の窓枠。窓からの景観を損なうことなく、枠自体が洒落た模様と…

「建物のカケラ 一木努コレクション」展 〜江戸東京たてもの園その1〜

週末、小金井公園内にある江戸東京たてもの園に行ってきた。約7ヘクタールの敷地に、江戸時代から昭和初期まで27棟の復元建造物が建ち並ぶ施設だ。茅葺きの農家から洒落た商店、モダンなお屋敷まで、さまざまな建造物が移築されていて、見ごたえがある。一つ…