2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

一人の人間とその時代を自分の力で学び取る以外に、歴史を学ぶ方法はない。

ふとしたきっかけで、朗文堂が1995〜1999年にかけて刊行していた小冊子文字百景 全100冊を入手した。そのなかの一冊、河野三男さんがスタンリー・モリスン*1について書かれたシリーズの冒頭にあった文章に強く引き寄せられて、その部分を何度も読み返した。 …

あたし彼女 読んだ みたいな/けっこう面白い みたいな/てか/このタイトル 何人目だっつーの!

第10回日本ケータイ小説大賞の大賞受賞作品「あたし彼女」が話題沸騰ですね。この文体を真似たタイトル/エントリー/コメントが、受賞発表後に一体いくつ書かれたんだろう? ご多分に漏れず、わたしも書いてみたわけですが。これまでケータイ小説ってまった…

書物は「連続と切断」からできている。

前のエントリーで、ケータイ小説「あたし彼女」のことを「ページネーションの感覚において、ウェブ上の小説より書籍に近い感覚で作られているかも」と書きました。なぜ「書籍に近い」と感じたのでしょうか。 「ページネーション」とは? ブックデザイナー鈴木…

「光の極限を求めて」ーー『デザインノート』No.21で平野敬子さんにインタビュー

『デザインノート』*1No.21が発売されました。特集テーマは「18人の女性クリエイター」。さまざまなクリエイションで時代を動かす女性たちが登場しています。今回、わたしはNTTdocomoの携帯電話「F702iD所作」や東京国立近代美術館のVI、小沢健二さんのCDな…

邪魔、このありがたきもの。

先日に引き続き、齋藤孝氏の『座右のゲーテ』から。 先日のエントリーで「小さな対象を扱う」という話に対し、id:pollyannaさんがブクマコメントで「この技術は、日々の暮らしで乗り越えなければいけない「山」にも通じるのかなあ、と思ったり。」と書いてく…

「ほんたった」が便利すぎる

メディア: 購入: 1人 クリック: 25回この商品を含むブログを見る参考資料として本を見ながらPCで原稿を書いたり、読み終えた本のなかから気になった箇所をメモしたりするとき、本を開いたまま固定しなくちゃならない。腕で無理矢理おさえてみたり、筆箱とか…

『座右のゲーテ ーー壁に突き当たったときに開く本』齋藤孝

齋藤孝氏の『座右のゲーテ』を読み終えた。 氏自身が30代で改めて読んだとき、具体的な行動の工夫を開陳した「上達論」としてとてつもなく惹かれたという“『ゲーテとの対話』を軸に、現在を生きるわれわれにも有益と思われるゲーテの言葉を選び、それを「発…

原稿用紙100枚、どうやって書きあげる?

齋藤孝著の『座右のゲーテ』で一番最初のノウハウとして紹介されているのが、「小さな対象だけを扱う」だ。壮大なテーマや膨大な量に取りかかろうとするとき、なにから手をつけてよいかわからず途方に暮れたまま、一歩も動けなくなってしまうことがある。そ…

「つかもうぜ!○○ボール」といえば。

オレンジ色のアレですよね。ええ、わが家も親子2代で楽しんでます(何年越し?!)。名作ですね。ハリウッドも食いつくわけですね。 ……と思ったら、「つかもうぜ!オダギリ・ボール」って(笑)http://www.shiseido.co.jp/uno/ojball.htm資生堂UNOのTVCMで「オ…

オノ・ナツメ『さらい屋五葉』1〜4

以前から気になっていたオノ・ナツメ作品を初めて読んだ。作者としては初の時代もので、既存のファンには意外な路線だったようだけれど、なんとも味わい深い。「さらい屋」とは「かどわかし」つまり誘拐を稼業とする者。「五葉」はその組織の名前。組織とい…

文字は語る「鈴木一誌さんに聞く 第三世代明朝と書体の選び方」

取材・執筆を担当している月刊DTPWORLDの連載企画「文字は語る」、2008年10月号*1は、ブックデザイナーにして季刊『d/SIGN』誌責任編集の鈴木一誌さんのご登場。活版〜写植を経て黎明期からいち早くDTPを導入し、使い手の立場からデジタルフォントを見続けて…

人が休んでいる間に

昨晩、たまたまTVをつけていたら、「情熱大陸」が流れ始めた。俳優・松田翔太を取り上げた回だった。彼の出世作となった「花より男子」は観ていないのだけれど、「LIAR GAME」で観て以来、なんとなく気になっていたのだ。その端正な顔立ちや、すっとしたたた…

まだまだ迷う来年の手帳

先日どうする来年の手帳 - 雪景色という記事を書きましたが、まだ迷ってます、来年の手帳。 ネットで見ているだけでは決まらないので実物をチェックしようと、外出ついでにLoftに行ってみましたが、店頭にあった革カバー、ナイロンカバーのなかでは結局決心…

「展覧会ガイド」を考える

先月末に松屋銀座で開催されたナガオカケンメイさんの「デザイン物産展ニッポン」、そして現在ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催中の平野敬子さん「デザインの起点と終点と起点」展は、「展覧会ガイドのあり方」についても考えられていた展覧会…

「惜しまなさ」

結局のところ自分の武器は、「労力の惜しまなさ」にあるんだなあとつくづく思う。とても要領の悪いやり方だけれど、それ以外の方法をわたしは知らない。「惜しまなさ」が尋常でなくなればなくなるほど、強みになる。当たり前のことだけれど、そこを突き進む…

平野敬子「デザインの起点と終点と起点」展

昨日、平野敬子さんの個展「デザインの起点と終点と起点」を観に、gggに行ってきた。 ギンザ・グラフィック・ギャラリーでは、2008年9月企画として<平野敬子「デザインの起点と終点と起点」>を開催いたします。 平野敬子は関わってきた全ての仕事を、強い…

たむけんと「広告」と。

7月末に発売された雑誌『広告』(博報堂)の特集が、全編「漢字タイポス」で組まれていると聞いたのは、すこし前のことでした。「タイポス」。写植世代にはたいへん懐かしいフォントです。 1960〜70年代に一世を風靡し、新書体ブームのきっかけをつくったデ…

どうする来年の手帳

いやはや、もう来年の手帳の話をする時期ですか。びっくり。 ほぼ日手帳2009が昨日から発売になったのですね。さて、どうしよう。2006年から、ほぼ日手帳を愛用しています。その前は手帳のシステム自体を取り入れたくて、フランクリン・プランナーを使ってい…