2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

活字鋳造見学体験会

かれこれ半年も前になってしまいましたが、以前、築地活字の活字鋳造見学体験会に参加しました。記事を埋もれさせておくのももったいないので、以下に公開します(以下、2007年11月に書いた文章です)。* * * *2007年11月17(土)、横浜市の築地活字主催…

「雪」という姓の読み方は何のひねりもなくそのままなので、ほとんど間違えられたことがないのだけれど、「まさかそんなはずは」と思うのか、時折、音読みされてみたり、なぜか「せきさん」と呼ばれてみたりということがあります。先ほども某サイトさんでわ…

「じゅん」の書体デザイナー三宅康文氏の個展

モリサワからのリリースより。 『文字は生きている』三宅康文展 2008年6月25日(水)〜29日(日) 10:00-18:00(最終日16:00) 練馬区立美術館「じゅん」(モリサワ)や「JTCウイン」(ニィス)など数多くの書体のデザイナーとして知られる三宅康文(みやけ…

とにかく会ってみることだ

すばらしく整理され、まとまった本を何冊も出している著者ならば、著書を読めばいい、と思ってしまっていたかもしれない。けれども、本では得られない情報がある。整理する過程で落ちてしまうような横道にそれた話こそが、聞きたかった話だった。論考からは…

『sunnybook』の文字特集

「素敵なあなたの周りにあるものは、不思議にいつも素敵です。」をキャッチフレーズに、 素敵な人を取り囲むモノたちを見る事で、その素敵な人の持つ何かを探し出す。 sunnybookはモノを見る事で素敵な人の持つ「何か」を探るミニブックです。 というコンセ…

『デザインノート』No.19で祖父江慎さん驚異の合成フォントを紹介

さて、たまには仕事の話でも(笑)。 『デザインノート』*1No.19が出ました。今回の特集は「探る!タイポグラフィ」。[rakuten:book:12937696:detail] (Amazonではまだ表紙画像が掲載されていない〜)このごろ文字関係(に限らずですね)の講演会で引っ張り…

ブログは「上手に忘れるためのツール」

『思考の整理学』で外山滋比古氏は、人間にはグライダー能力と飛行機能力があるとしている。 人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分でものごとを発明、発見するのが後者である。両者はひとりの人間の中に同居して…

「生きるために水を飲むような読書」をしよう。

齋藤(略)もう一つは、「言葉を味方につける」。人に言われて嬉しかった言葉は、ちゃんと手帳にメモして残しておくとか、人から来たいいメールのみ残しておく、ということをやってみる。私は携帯でメールのやりとりをすることがあるのですが、携帯に残って…

「朝飯前」のすすめ。

外山滋比古氏の『思考の整理学』を読んだ。「朝飯前」考がおもしろかった。「夜書いた手紙は、翌朝読み返したほうがいい」というのは、よく聞く話だ。朝になって読み返してみると、あまりに感情的に綴られた文章で、投函するのがためらわれる、ということが…

人間は、この世に生まれたその瞬間から、この世に受けいれられることを目指して生きている。

しりあがり寿さんの『表現したい人のためのマンガ入門』を読んだ。マンガ家とサラリーマン*1という二足のわらじを13年間はき続けた経験があるしりあがりさんだからこそ書ける本だった。「マンガ入門」というタイトルだけれど、しりあがり先生が手取り足取り…

ぐちを言っている女の子が、美しく見えたなんてことは一度もありません。

――苦しみは変わらない。変わるのは希望だけだ。 ――「わかれ道」を通るためには、ひとは誰でも選ばねばならない。 ――ほんとに愛しはじめたときにだけ淋しさが訪れるのです。 ――ぐちを言っている女の子が、美しく見えたなんてことは一度もありません。 ――生き…

わたしはカメ。

…と言っても、別に「スチュワーデス物語」*1を思い出したわけではなく(古!)。わたしはこれまで、自分というライターのことをよく「イタコのようなもの」とたとえていたのだけれど、今日、ある人と会話をしていて、ふっと「わたしはカメのようなものかもし…

「愛され」を目指そう

愛ある人が好きだ。 ものづくりに携わる人なら、対象が好きで好きでたまらなくて、その話をしはじめると子どものように目が輝いてしまうような人がいい。やっぱり対象を愛さなくっちゃね、とかねがね思っていた。けれどある人が、「これからは、愛するだけじ…

原点

思えば、なにか話を聞きたくて訪ねたおじいさん、おばあさんの目を見、手に触れ、深みのある言葉を聞いたことが、どこか自分の節目につながっている。たとえば、自分の「初心」「原点」ということを考える時、いつも心に浮かんでくるのは、あるおじいさんの…

おばあさんの手

ある語り部のおばあさんたちの話を聞きに行ってきた。 懇親会で「また話を聞きに行きたい」とあいさつをしに行ったら、にっこり笑って「どんな話が聞きたいの? なんでも教えてあげるよ。今度、遊びにきてね」と言いながら、わたしの手をぎゅっと握ってくれ…

光の当たるもう一方の極みに、それと対等のわざと精神がある。

なぜ、「影となる存在」に惹かれるのか。その答えを示してくれているような文章が、「京扇ーー1本の扇を生み出す人々」(武蔵大学・瀬田研究室の調査報告書)にある。ちょっと長くなってしまうけれど、忘れたくないことだから書き記しておく。 日本の文化は…

関心の理由

「文字」というものに関心を寄せている。たぶん、印刷会社に勤めていた十数年前、写研の書体見本帳をうっとりと眺めていたあの頃からずっと*1。 どうして「文字」が好きなんだろう?と思った。はっきりとした理由なんてどうでも良いくらい、どうしようもなく…

大正初期のお化粧

もう一つ、宇野千代の『私のお化粧人生史』で興味深かったのは、1897年生まれの彼女が17歳の当時行っていたお化粧のしかたが詳しく書いてあることだ。幼いころから両親に「お前は色黒だ、そんな色黒では嫁のもらい手がない」と言われ続けた(ひ、ひどい…)彼…

「キモ若」なんて、ふっとばせ!

「キモ若」ってご存じですか? 近頃の女性誌の流行りのキーワードに「大人かわいい」というのがある。そしてもう一つ雑誌から生まれた言葉で「キモ若」、「老けカワ」というのがある。 こちらは雑誌『Tarzan』でこの夏特集された、「30歳からの老けビジュア…

「やりたいこと」にたどり着く近道

だれにとっても1日は24時間であり、すべての人間にとって等しく「時間は限られている」。そんな当り前のことに、かつては気づいてなかった。意識することがなかった。自分の時間の使い方を決めるのは、主に自分だったから。意識が変わったのは、子どもが生…

文字は語る「川上俊さんに聞く Webデザインと文字」

DTPWORLD2008年6月号*1の連載企画「文字は語る」担当第12回では、web、紙、映像、空間とさまざまな媒体で端正なタイポグラフィを展開しているアートディレクターの川上俊さんを取材。「まず最初に文字だけをテーマにしたプレゼンを行う」というだけあって、…

「知ってる」という言葉が嫌い

佐治晴夫さんと養老孟司さんの対談本『「わかる」ことは「かわる」こと』を読んだ。 あるとき佐治さんは、高校で理科を担当している先生が集まった研修会で講演をしたのだそうだ。宇宙の始まりから人間に至るまでの話をし終えると、ある先生が佐治さんのもと…

「障子から見た日韓住宅の比較」

10日(土)、昭和のくらし博物館の土曜夜間講座「小泉和子が語る家具の歴史 障子の桟から見た日韓住宅の比較」を聞きに行ってきた。 家具史室内意匠史研究の第一人者である小泉館長の最新の研究をわかりやすくお話しする土曜講座です。今回のテーマは、各方…

謎を育てるには、自分のなかに他者を作ること。

前記事で「問いを立てる」ことの大切さを痛感したところで、しつこいようだがまたまた先日読んだ丸谷才一の『思考のレッスン』から、「問いの立て方」に関する部分を。 丸谷 考える上でまず大事なのは、問いかけです。つまり、いかに「良い問」を立てるか、…

「活版凸凹フェスタ2008」に行ってきた。

朗文堂 アダナ・プレス倶楽部が主催し、5月2日から行われている「活版凸凹フェスタ」に行ってきた。 「活版凸凹フェスタ」は、活字版印刷(以下カッパン・活版ともします)にまつわるさまざまを集めた楽しいお祭りです。活字をもちいて印刷をおこなう「活字…

丸谷才一の読書テクニック

先にも書いた丸谷才一の『思考のレッスン』は、どうすれば彼のような発想が生まれるのか、人が思いもつかないことをどうやって考え出すことができるのかということについて、彼自身にその秘密を紐解いてもらうという一冊だ。このなかに「僕の読書テクニック…

やる気を引き出すのは「緊張」か「目的」か?!

少し前に、金井壽宏氏の『やる気!攻略本』という本を読んだ。このごろ、モチベーションが上がらない場面に遭遇して悩んだりもしていたので、知人のブログで紹介されていたこの本に手が伸びたのだ。わかりやすくゲーム感覚で、あくまで実用書に徹して書かれて…

「緊張」って悪いことだと思われていませんか?

前の記事を書いていて、前に自分が書いた文章を思い出した。* * * *わたしは、あがり症だ。子どものころから、ずっと。 学生時代まではとりわけ相当なもので、大学でジャズ研に所属していた*1時も、最初の2年間ぐらいは人前で演奏する機会があるたびに、…

「活字の組み方で理解度が変わる」

丸谷才一氏の『思考のレッスン』を読んでいたら、活字の組み方と理解度について語っている部分があった。興味深いので抜粋。 ー(略)丸谷さんの読書法は尋常ならざるところがあって(笑)、いつも驚いたり感心したりですが、その一つは、丸谷さんが同じ本を…

書こうと思ったもう一つの理由

なぜここに自分の見たこと聞いたもの、思ったこと考えたことを書こうと思ったのか。もう一つの大きな理由は、情けないようだけれど「忘れてしまうから」。 どちらかというと、こっちのほうがメインかもしれない。「書き留めておきたい」のだ、わたしは。 日…