2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

自分の壁

壁は自分自身だ。岡本太郎『壁を破る言葉』イーストプレス,2005.4 「自分の壁」ということをよく考える。くだらないちっぽけな自分自身の思い込みが、案外さまざまな行動に踏み出すことを阻む壁になっていたりする。そしてそれは他人から見れば、なぜそんな…

道を切り開きたいのであれば、ぶつかるところまで行くほかない

夏目漱石『私の個人主義』を読んだ。この本には漱石の講演がいくつか所収されているが、表題の「私の個人主義」を読んで唸る。記録を見れば大正3(1914)年11月の講演だから、実に90年以上前に話された内容だというのに、いまなおこれだけ示唆に富んでいると…

働くことが希望になる

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』にこんな文章があった。 生きていくなら、お金を稼ぎましょう。 どんなときでも、毎日、毎日、「自分のお店」を開けましょう。 それはもう、わたしにとっては神さまを信じるのと同じ。 毎日、毎日、働くことがわたし…

むしろ「空洞」が文章を決定づける

小川洋子のエッセイに、「輪郭と空洞」というものがあった。電車のなかで出会った少女の白いブラウスに見とれているうち、自分が見とれているのは糸によって形づくられたレース模様の輪郭なのか、レースの向こう側に透けている彼女の肌なのかわからなくなっ…

「良い伝え手」に必要なこと

内田麻理香さんのブログを拝見したら、自分の名前が出ていて驚きました。 3年前のmixiに書いた言葉を掘り起こしてみます。今見ても、彼女の発言はまったく古さを感じないし、色あせていない。雪朱里 さんにお会いした時、彼女から出た言葉。「ある分野の挫折…

「チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925」展

先日銀座に行った際、INAXギャラリーにも寄って、「チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925」展を観てきた。 ピカソ、ブラックが中心となって起こった20世紀初めの美術運動キュビズム。チェコでは世界で唯一、建築に応用され、プラハを中心とした各地に…

矢萩喜從郎展「Magnetic Vision/新作100点」

ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の矢萩喜從郎展「Magnetic Vision/新作100点」を観た。 1988年の「Shot by a Sight」から続く矢萩喜從郎氏の視覚世界への探求。「Perceiving by Sight」(1992)、「One’s Point of View」(1994)、「Hidden Accumula…

画家という人々

今日読み終えた『知をみがく言葉 レオナルド・ダ・ヴィンチ』というダ・ヴィンチの語録に、こんな言葉があった。 絵画----やがては滅んでしまう 存在の移ろいやすい美しさをとどめておくことが できる素晴らしい科学。 美に、自然の作品を超える永続性を与え…

《 死の床のカミーユ 》1879年 クロード・モネ "Camille Monet on Her Deathbed" 90×68cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)*11879年9月5日、画家クロード・モネは最初の妻カミーユを32歳という若さで失った。深い悲しみの淵で、その妻の亡がらの色彩が…

子どもの頃の自分の傷つきを本当にわかっているのは自分しかいない

〜2008年6月21日の日記より〜 『ダ・ヴィンチ』2008年7月号は「梨木香歩」大特集*1。梨木さんのロングインタビューが載っている。今日から映画が公開される『西の魔女が死んだ』について語るなかに、表題の言葉があった。「つまりね、小さかった頃の自分の傷…