「歴史を学んでなにになるの?」

歴史を学ぶ、研究するということは、実用的ではないかもしれない。だからよく、歴史の研究者に向けて、タイトルのような質問が放たれるそうだ。

けれども、歴史を知ることは無意味なことだろうか?

進むべき未来がわからなくなったとき、来し方を振り返ることはとても大切だ。来た道をふまえてこそ、立ち位置がわかる。なにより、立ち戻るべきよりどころを持つ人は、迷いが生じたときに着実に前に進んでいくことができる。歴史の研究というのは、「よりどころ」をつくる作業ではないか。そんなふうに感じる。