「身体が楽器になる」という快感

旧知の友人たちのライブがあり、聴きに行ってきました。お昼の神田でおとなの渋い音楽です。なんだか不思議。

ライブハウスで音楽を聴くのは、ずいぶん久しぶりでした。楽器が奏でる音がふるわせる空気を直に感じられて、ライブって気持ちがいいな、としみじみ。

楽器を吹かなくなって、10年ほどが経ちます。わたしにとって「楽器」はいつも「吹く」ものでした。ピアノやギターも少しやっていたけれど、それよりも断然、管楽器が好きだった。小学校の音楽でリコーダーを手にした時から吹く楽器に魅せられて、小中のブラスバンド部でチューバ、ユーホニウム、そして大学のジャズ研ではアルトサックスを吹いていました。

どうしてあんなに「吹く楽器」が好きだったんだろう? 今日、音楽が生み出す空気の揺らぎのなかに身を置きながら、こんなふうに身体に音が響くことがとても気持ちよかったのだと、あらためて思い出しました。特に管楽器の場合、楽器だけが鳴るのではありません。のどを開き、空気を楽器に送り込むと、身体中を音が響きわたり、楽器と一緒にぶるぶるふるえる。自分の身体も楽器の一部になって共鳴する。それがたまらなく気持ちよかった。

快感がありありと身体によみがえってきて、なんだかたまらなく楽器を吹きたくなりました。だれにも気兼ねすることなく大きな音で、思い切りロングトーンしたいなぁ。