「NEO JAPAN STYLE PACKAGE」展

竹尾見本帖本店2階で行なわれている「NEO JAPAN STYLE PACKAGE」展を観てきた。

今、改めて日本の包装について考え、学び、その根底にある
日本の「モノ」や「コト」や「ヒト」に対する感覚を
自分たちの中に呼び起こし、
現在に生きるデザイナーとして応用し、
これからのより良いコミュニケーションのために
「日本のパッケージデザインだからできること」を提案します。

(展覧会リーフレットより)

「NEO JAPAN STYLE PACKAGE」をテーマに、花王サントリー資生堂、シャープ、ソニークリエイティブワークス、大日本印刷凸版印刷博報堂の8つの企業のデザイナーが制作した、日本の伝統をふまえた新たな発想によるパッケージ作品を展示するという企画。

さまざまなモノを包み、コトを記録して日本文化を伝えてきた「紙」によるパッケージ作品の数々は、どれもやわらかなあたたかみをたたえ、観ていて楽しかった。

古来から日本人は、モノを紙で包むことにより不浄なものを浄化し、あるいは包むものを清浄に保とうとした。折ることで自在に形を変えられるように感じられる紙はしかし、ひとたび折り目をつけてしまえば、その折り目は決して消すことができない。だからこそ紙を折りモノを包むという行為は、確たる思いをこめられた、清らかなるものだった。紙で包むということはまた、代々受け継いできたひな人形をしまう時のように、モノを慈しむ気持ちの表れでもあった。

たったひとつの「紙で包む」という行為のなかに、人の思いがどれだけ託されていることだろう。「包まれるもの」の形を残した紙の姿や折り筋が、その人の体温と、思いの痕跡を伝えてくれる。だから紙のパッケージを眺めていると、こんなにも愛おしく、なつかしく、時に切ない気持ちになるのだろう。

展示された作品の数々を眺めながら、そんなことを考えた。

総合プロデュースは鹿目尚志氏、企画・ディレクションは工藤青石氏。見本帖本店での展示は10月31日までで、その後、仙台(せんだいメディアテークで12月19〜21日)、大坂(大阪府立現代美術センター で2009年2月23〜28日)に巡回するとのこと。