『デザインのひきだし 6』で種字彫刻師・清水金之助さんにインタビュー。


“プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌”『デザインのひきだし』6号が発売。前号からスタートした連載「名工の肖像」*1、今回は種字彫刻師・清水金之助さんにご登場いただきました。

種字彫刻とは、活版印刷で使われる活字のもととなる母型を(凹型)を作るための、さらにもととなる種字(父型)を、鉛と錫の合金である活字材に左右逆字でじかに凸刻していく技術のこと。昭和30年代に機械による母型彫刻が普及する以前は、種字は人の手によって彫られていました。マッチ棒ほどのごく小さな平面に、下書きもなしに、またたく間に逆字を彫り上げていく様子は、まさに「神業」。清水さんが文字を彫る様子を見るたび、いつも「人間にこんなことができるのか」と驚きます。

現在86歳の清水さんは、いまでも「日々上達しているのを感じる」と言います。毎日欠かさず彫り続けているからこそ、いまなお技が磨かれ続けているのです。そして清水さんの彫る文字は、しなやかな躍動感に満ちて、美しい。はたして清水さんは、どのようにしてこの技を身につけたのでしょう。清水さんを取材するのは3回目ですが、今回は6ページというボリュームで、前回、前々回よりいっそう詳しく書いています*2

池田晶紀さんが撮ってくれた写真が、これまたとても良いのです。よかったらぜひご覧になってみてください。

ちなみに今回の特集は「箔押し加工のAtoZ」。巻末特集は「板紙の魅力」。どちらもサンプルたっぷりみっしりで、これを読めば本当に「A to Z」がわかる濃さですよ。

『デザインのひきだし 6』グラフィック社編集部編

デザイン・印刷・紙・加工テクニック情報が満載!
巻頭特集は「箔押し加工のAtoZ」

自分の発想したデザインを、いかに効果的に印刷/加工表現するか。そんなデザイナーに必須な印刷・紙加工などの技術情報をわかりやすく紹介する『デザインのひきだし』。第6号である今号では「箔押し加工のAtoZ」を大特集。目立たせる、高級感を出すために、特殊加工の中でも最もよく使われているのが「箔押し」。箔の種類や箔押し版の特性、効果的な使い方、コストなど、おさえておかなくてはならない知識が満載。各社箔押し見本帳など実物サンプルも満載で、今日からすぐ役立つ情報がギュッと詰まっています。
 
B5判・並製
総144頁(オールカラー/6種類の本文用紙+初回限定12+2+1+9種、計24枚の付録付き)
定価:本体2,000円(税別)
ISBN978-4-7661-1941-1 C3070

http://www.graphicsha.co.jp/cgi-bin/new_release.cgi?target=200810&uid=58441cfe44a48d087977a5009661fae6

デザインのひきだし 6―プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実 特集:箔押し加工のA to Z

デザインのひきだし 6―プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実 特集:箔押し加工のA to Z

*1:本作り・もの作りの現場でその道数十年、現場で神様と呼ばれるような名工の方々へのインタビュー連載です。

*2:紙幅さえ許せば、本当はもっともっと詳しく書きたい!