文章力の“大リーグ養成ギプス”を装着してみる。

前回のエントリーでも取り上げた日垣隆氏の『すぐに稼げる文章術』に、こんな一節がありました。

「です」「ます」調は大リーグ養成ギプス

 試しに、文章を「です」「ます」調で書いてみてはいかがでしょうか。なぜ「です」「ます」調のほうが「である」調よりも難しいかというと、前者は語尾が「です」と/「ます」だけが多発しがちだからです。「〜です。〜です。〜です。」という調子ですと、よほどインパクトがある内容でない限り文章はおもしろくなりません。「である」調で書く場合には「〜だ」「〜なのか」と変化をつけたり体言止めにしたり、語尾にいろいろバリエーションを作れます。ところが、「です」「ます」だとほとんど語尾に変化が生まれません。
「です」「ます」調は大リーグ養成ギプス(笑)みたいなもので、敢えて「です」「ます」調で書くことによって、確実に文章のレベルアップを図れるでしょう。

日垣隆すぐに稼げる文章術 (幻冬舎新書)幻冬舎,2006.1.30,P.37-38)

同じ文末を繰り返すと、文章にはリズムが生まれません。うまい文章のコツとして「二回続けて同じ文末表現を用いない」ということを、日垣氏もこの本で述べておられます。そして確かに「です」「ます」調のほうが、この点不便です。どうすれば文章のリズムを作れるか「である」調で書くときよりも強く意識しなければ、一本調子になってしまう。

かくいうわたしも「である」調のほうが得意だし、自分らしい文章のような気もするのですが、ここは一つ、大リーグ養成ギプスを装着してみることにしましょう。

そしてさらにもう一つ、大リーグ養成ギプスを追加してみます。「体言止めを使わない」という小泉和子先生*1の教えです。曰く、「文章を書くには、思考が明快になっていなくてはいけない。体言止めをすると、なんとなくかっこがついたような気分になるけれど、思考の表明をごまかし、読み手に判断を委ねた文章になってしまう」と。

「です」「ます」調+体言止め禁止とすると、なかなかハードルが高いです。はたして、大リーグ養成ギプスW装着の効果やいかに*2

*1:昭和のくらし博物館館長

*2:いつまで続くかは謎ですが。