人生は螺旋状

昨日のエントリー「「MediaMarker」で蔵書管理 - 雪景色」で書いたように、蔵書管理ツール「MediaMarker」を使い始めたことをきっかけに、積ん読発掘・撲滅運動に火がついている。今日はしばらくちゃんと眺めていなかった本棚を見直してみたら、引っ越しや幾度の書棚整理を経てもなお捨てることのできなかった蔵書15年強*1の本が並んでいる段があり、しかも中をめくってみれば、「これはいまもう一度読みたい!」と思う本ばかりなのだった。

しばらく開いていなかった本を開いて、まるで初対面であるかのように新鮮な気持ちで「面白そう!」と思うとき、かつてその本を読んだときとは別の言葉が光って見えていることが多い。かつてのわたしと今のわたしは同じ人間だけれども、年月を経、さまざまな知識を得たぶん(あるいは失ったぶん)、違う人間になっている。だから、本のなかに見える風景が違うんだろう。

人生はもしかしたら螺旋状に進むものなのかもしれないと、このごろふと思う。10年単位で大きく弧を描き、かつて興味を抱いた場所に立ち戻る時がくる。けれど、かつてと同じ場所に立ち戻るのかといえば、それは違う。経た年月の分、わずかに上昇(あるいは下降?)している。そうやって大きな周期でまわっていくものなのかな、と感じる。

かくて「MediaMarker」に[要再読]タグを新たに設け、そのタグを付した本をこりもせずせっせと登録するのであった。

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そんな「要再読」本のなかの一冊をぱらぱらとめくっていたら、紅葉が2枚はさまれているのを見つけた。たぶん、大学4年のときに買った本だ。大学構内で拾った紅葉をはさんだんだろうか。まったく思い出せないけれど、なんだか愛おしい気持ちになった。

ちなみに、はさんであった本は吉村貞司『日本美の特質』。京橋のINAXブックギャラリーで買ったんだったと思う。これももう一度読みたい。

*1:つまりは学生時代ね。