文字は語る「大島依提亜さんに聞く 映画と文字」

取材・執筆を担当している月刊DTPWORLDの連載企画「文字は語る」の2009年3月号*1で、大島依提亜さんに「映画と文字」についてうかがってきました。

映画というそれ自体がビジュアル表現であるものを、グラフィックデザインに落とし込み、その魅力を伝えていく宣伝美術。そこで「文字」は、どのような役割を果しているのだろう。数多くの映画の宣伝美術を手がけてきた大島依提亜さんに聞いた。
   ーー月刊「DTPWORLD」2009年3月号「文字は語る」リードより

大島さんは、映画や展覧会のグラフィックを中心に、ファッションカタログ、ブックデザインなどを手がけるアートディレクター。「百万円と苦虫女」や「かもめ食堂」、「めがね」日本テレビの「2クール」などのアートディレクションを手がけてきました。際立って個性的な表現ではなくとも、気がつくと心のなかに自然にその世界観が染み込んでいるような大島さんのデザインを見て、「世界観を築くための文字づかい」についてぜひ聞いてみたいと思っていたのでした。

お話をうかがってみれば、多メディアに展開していくことが必須の映画宣伝美術において、世界観をぶらさず伝えることの背景を知り、想像以上に細やかな心配りが隠されていたことに、感嘆の連続。とても興味深かったです。

なにより、大島さんは映画が本当に好きなんだなあということが語り口から伝わってきて、うれしくなりました。映画の仕事が中心となっていることは、特に意識したわけじゃないそうですが、「好きだと思っていると自然に」そうなっていたのだそうです。好きなものを好きと思い続けること、そしてそれを言い続けることが、好きなものと自分とのつながりを呼び込んでくれるのだなあとしみじみ感じた取材でありました。