人が休んでいる間に

昨晩、たまたまTVをつけていたら、「情熱大陸」が流れ始めた。俳優・松田翔太を取り上げた回だった。

彼の出世作となった「花より男子」は観ていないのだけれど、「LIAR GAME」で観て以来、なんとなく気になっていたのだ。その端正な顔立ちや、すっとしたたたずまいから、ちょっと気取った感じにも見えながら、でも気になるのはなぜなんだろう? と思っていた(気取った感じの人に惹かれることは少ない)。

松田優作の息子」という想像もできないような重圧を常に背負ってきた彼は、それを「使命感」と言っていた。「松田優作の息子だという使命感がなければ、できない」と。

偉大すぎる父親の存在に反発したこともあった、「松田優作の息子」でなく自分は自分だともがき苦しんだ、でもそこを抜けたとき、彼が選んだのは、父と同じ俳優の道だった。

「人が休んでる間にたくさん考えて、下克上したいの」
ーーいまは地道にやることが大切な時期。そう考えている。

気取った表情がふっと緩んだ瞬間に、キラキラと瞳を輝かせたやんちゃな少年の顔が垣間見える。やんちゃだけど、ものすごく真面目で、努力の人なんだな、と思った。

映画クランクアップの感想を聞かれ、すかさず
「次です。次」と答えていた。

常に先を見て、前に進もうとしている人なんだなと思った。そしてなるほど確かに、そういう人がわたしは好きなのだ。