文字は語る「廣村正彰さんに聞く サインデザインと文字」

取材・執筆を担当している月刊DTPWORLDの連載企画「文字は語る」の2009年4月号*1で、廣村正彰さんに「サインデザインと文字」についてうかがいました。

2次元のサインが3次元の空間でどういった視覚効果をもたらすかに注目し、サインデザインに新風を吹込んできた弘ら正彰さん。そんな廣村さんに、サインデザインにおける「文字」の役割を聞く。

   ーー月刊「DTPWORLD」2009年4月号「文字は語る」リードより

エディトリアルデザインや企業のCI、VI計画、サイン計画など、多岐にわたり活躍している廣村正彰さんは、かつて田中一光デザイン室で文字使いを徹底的に鍛えられた経験をもちます。

1996年に山本理顕氏設計による岩出山中学校サイン計画を手がけたのを機に、サインデザインの仕事を数々手がけてきた廣村さんの考え方の特徴は、「空間をグラフィックとしてとらえる」というところ。サインといえばなにかモノを作ることと短絡的にとらえれがちだった分野で、必ずしもモノを作る必要はないという考え方を打ち出し、その空間に足を踏み入れた人に伝えるべき情報を確実に伝達して、快適な空間を作り上げてきた廣村さん。「情報を伝達する」という役割がある以上、そこで文字が重要な役割を果すことは想像にかたくありません。はたして廣村さんは、文字をどうとらえているのでしょうか。

ぜひ読んでみてください。

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すでに3月10日に公式発表が出ているのでご存じの方も多いかと思いますが、月刊「DTPWORLD」は4月13日発売の次号をもって休刊することになったそうです。

1996年の創刊より、読者の皆様に親しまれておりました『DTPWORLD』ですが、誠に勝手ながら、2009年4月13日発売131号(2009年5月号)をもちまして、休刊することとなりました。
創刊から13年間、読者の皆様に支えていただき心より御礼申し上げます。

昨今、広告依存型のビジネスモデルの転換期に来ておりますが、弊社としましてもメディアとしての長期的戦略の観点から、他の媒体や事業に経営資源を集中することにより、更なる顧客価値の向上、経営効率の改善を図る所存でございます。

DTPWORLD休刊のお知らせ|ボーンデジタル

2007年7月号で「文字は語る」を担当し始めてから、1年9カ月、連載を続けてきました。この連載をしていたおかげで、文字の作り手、使い手、売り手というさまざまな立場の方々にお話を聞く機会をいただきました。それが終わってしまうのは、とても残念です。

もちろん、淋しいのは制作者の一人としてだけではありません。
わたしは1994年4月に新卒で印刷会社の編集部門に就職しました。社内はまだ電算写植が主流でしたが、Macの導入を始めており、わたしが在籍した3年間はちょうど電算写植からMacによるDTPへの移行時期に重なりました。そのなかごろに創刊されたのが『DTPWORLD』です。社内のデザイナーたちがこの雑誌を傍らに置きながら仕事をしていた様子を、よく覚えています。以来、わたしにとってはとても近しい存在の雑誌のひとつでした。まさか数年後、その雑誌に自分が記事を書くことになるとは思ってもみませんでしたが……(当時は自分がライターになることさえ思ってもみなかったので、当然といえば当然です)。

読者としても書き手としても、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

現在、最後の号を制作中です。「文字は語る」も最後までみなさんに楽しんでいただけるよう、力を尽くしたいと思います。どうぞみなさん、最終号をぜひお買い上げいただければ幸いです。