『デザインのひきだし 7』で紙工職人・坂本政弥さん、装丁家・菊地信義さんにインタビュー。


“プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌”『デザインのひきだし』7号が発売されました。今回で第3回目になる連載「名工の肖像」*1では、紙工職人の坂本政弥さんにご登場いただきました。坂本さんは、墨田区で創業85年の紙工所を営み、紙の加工に関することなら型抜き・箔押し・象嵌・印刷などすべてを知り尽くす匠です。

紙の加工に関することならなんでもやる、という坂本さんは、これまでどんな難題な仕事でも「できない」と断ったことがないのだそうです。いつも自分で工夫してやり遂げる。取材にうかがった時、試作品だというかわいい猫の日めくりカレンダーを見せてくれたのですが、加工の技が詰まったこの台紙も、たった一回の工程で作ってしまうのだとか。ほんとうに驚きました。


猫の日めくりカレンダー。金色の部分は象嵌で紙をはめこんだもの。いろいろな紙が使えるそうです。

84歳とは思えない頭の回転の速さに、舌を巻きっぱなしの楽しいインタビューでした。


一方、特集「製本加工はここまでできる!」では、装丁家菊地信義さんの記事を執筆させていただきました。菊地さんは、これまでに手がけた装丁が実に1万冊以上、30年超にわたり実験的な製本を切り拓いてきた装丁家です。数ある作品のなかから、今回は製本に工夫が凝らされたものにスポットを当て、お話をうかがいました。もちろん、作品の数々も誌面にて紹介しています。ぜひご覧ください!

さて、実は菊地さんには今回初めてお会いしました。菊地さんは装丁好きにとってはあこがれの存在であるのはもちろん、それに加え、4年前にNHK「ようこそ先輩」を拝見してから、ますますファンになってしまったのです。たいへん楽しいと同時に、緊張した取材でありました。「ようこそ先輩」については、また別エントリーで。

『デザインのひきだし 7』グラフィック社編集部編

デザイン・印刷・紙・加工テクニック情報が満載!
巻頭特集は「製本加工はここまでできる!」

自分の発想したデザインを、いかに効果的に印刷/加工表現するか。そんなデザイナーに必須な印刷・紙・加工などの技術情報をわかりやすく紹介する『デザインのひきだし』。第7号である今号では「製本加工はここまでできる!」を大特集。思わず手に取ってしまうおもしろい製本作品の数々のご紹介や、有名デザイナーへのインタビュー、また多種多様な製本方法とその加工ができる会社をご紹介した完全保存版の製本特集です。別冊の実物サンプルも満載で、今日からすぐに役立つ情報がギュッと詰まっています。

今回は函入り・別冊付録つき! 

http://www.graphicsha.co.jp/book_data.php?snumber3=857

*1:本作り・もの作りの現場でその道数十年、現場で神様と呼ばれるような名工の方々へのインタビュー連載です。