企画展「昭和、女中のいた時代」−−昭和のくらし博物館

大田区にある昭和のくらし博物館で、9月10日(金)から第10回企画展「昭和、女中のいた時代」が始まりました。今回も展示制作を研究会メンバーの一人として手がけました。これで私が関わった同館の企画展は3つめになります。

戦前までは、とくに裕福なわけではない中流家庭でも、女中を置いていることはめずらしくありませんでした。

当時の日本家屋は開放的で塵埃が入りこみやすかったため手入れの手間がかかり、衣類も食事も寝具もすべて家庭で手作り。裁縫ひとつとっても夏のあいだにいったん着物を解いて洗い張りをし、冬にかけて仕立て直したり、繕いものをしたりと、一年がかりで常に作業をしなくてはならならず、洗濯物はたらいと洗濯板を使っての手洗い。現代に比べて家族の人数も多かったので、主婦ひとりですべての家事をこなすのは難しかったのです。

女中を通して昭和という時代を見ることで、家庭内での主婦の立場や家事の内容、女性の職業史など、さまざまなことが見えてきます。企画展示室は四畳半という小さなスペースですが、昭和26(1951)年築の個人住宅である「昭和のくらし博物館」で展示を見ていただくことで、当時の人々のくらしがよりリアルに想像できるのではないかと思います。展示期間は約1年間、2011年8月末までの予定です。よろしければ、ぜひ足をお運びください。

昭和のくらし博物館
東京都大田区南久が原2-26-19
開館時間:午前10:00午後5:00 月曜・年末年始休館
URL : http://www.showanokurashi.com
入館料:大人 500円・小学生〜高校生・友の会会員 300円