『デザインのひきだし 9』で嘉瑞工房・高岡重蔵さんインタビューと、片塩二朗さん&寄藤文平さん対談を担当

“プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌”『デザインのひきだし』9号が2月はじめに発売されました。今回は、まず連載企画「名工の肖像」*1で嘉瑞工房の活版印刷職人・高岡重蔵さんにインタビュー。そしてもうひとつ、特別企画(?)で“片塩二朗さんに寄藤文平さんが直撃!「欧文書体について聞きました」”の対談まとめを担当しました。


まずは「名工の肖像」。高岡重蔵さんは1921(大正10)年のお生まれ。88歳です。しかし、開始早々からウィットに富むお話の数々で、びっくりしたり、感激したり、考えこまされたり。ジェットコースターのように気を抜く間もなく次々と展開するお話で、ほんとうに勉強になりました。名刺交換直後に「軽蔑しよう」と言われたときには、どうしようかと思いましたが(くわしくは記事を読んでみてください)、とても楽しいひとときを過ごすことができました。高岡さんの名言の数々、どれも載せたいところを、涙を飲んで4ページにまとめました。自分で言うのもなんですが、濃いです。そして今回も、池田晶紀さんが撮ってくださった写真がとてもいいのです。誇りと愛にあふれています。

いっぽう、“片塩二朗さんに寄藤文平さんが直撃!「欧文書体について聞きました」”。寄藤さんというとイラストレーションの印象が強いですが、デザインとしては装幀やエディトリアルデザインのお仕事が多く、文字には並ならぬ関心を寄せてこられたそうです。とくに和欧混植をする際、明朝体に合う欧文はなんだろう、ということに最近とても悩んでおられたとか。

調べていくうちに片塩さん主宰の朗文堂が出している数々のタイポグラフィ関連書籍にたどりつき、「一度、片塩さんにお話を聞いてみたい」と思っていたということで、今回、『デザインのひきだし』で実現と相成ったというわけです。

片塩さんはもちろん、寄藤さんご自身も文字にとても詳しく、実践のなかで得た独自の視点で質問なさるので、聞いていて本当におもしろかったです。

そして本全体が、とにかく「濃密」のひとことに尽きます。金ピカ表紙が目印。特集は「紙」です。よかったらぜひ、ご覧ください。

『デザインのひきだし9』

デザイン・印刷・紙・加工テクニック情報が満載!
特集は「紙の魅力をもっと知る」

自分の発想したデザインを、いかに効果的に印刷/加工表現するか。そんなデザイナーに必須な印刷・紙・加工などの技術情報をわかりやすく紹介する『デザインのひきだし』。第9号である今号では「紙」を大特集。出版不況、印刷業界/製紙業界不況が叫ばれている現在ですが、こんなときこそ、紙の魅力をよりよく知り、「紙ならではの魅力ある製品」をつくっていく必要があります。そんなときに必ず役に立つ紙情報を満載。原研哉さん、伊藤直樹さんのインタビューから、魅力ある紙作品紹介、そしてファンシーペーパーはもとより、機能紙、加工紙、工業用紙なども含め、今まで知らなかった紙やその機能/特徴をご紹介。実物サンプルも満載で、今日からすぐに役立つ情報がギュッと詰まっています。

『デザインのひきだし9』いよいよ発売です! : デザインのひきだし・制作日記

デザインのひきだし 9―プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実 特集:紙の魅力をもっと知る

デザインのひきだし 9―プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実 特集:紙の魅力をもっと知る

*1:本作り・もの作りの現場でその道数十年、現場で神様と呼ばれるような名工の方々へのインタビュー連載です。