読みやすさ、わかりやすさってなんだろう。

先日、鈴木一誌さんを取材した時に、「読みやすい紙面ってなんだろう」という話題になった。見た目どんなに読みにくそうな、ちっちゃーい文字の記事でも、そればっかりを夢中になって読んでしまうようなことがある。氏曰く、「結局のところ読みやすさというのは、文字の大きさや行間などの形式的なことじゃなくて、『読みたい』と思わせる紙面こそが『読みやすい』んじゃないか」と。読みたいという気持ちが起こらなければ、そこに文字は存在しないも同じになってしまう。

それって、「わかりやすさ」にも共通する気がした。「読みたい」と思わせることができる文章こそが、「わかりやすい」文章なんじゃないだろうか。どんなに平易に書いた(つもりの)文章でも、対象に「読みたい」と思わせることができなかったら、「わかる/わからない」を評価する土俵にすら上がらせてもらえない。

「伝わりやすさ」も同じだ。対象に「読みたい」と思ってもらえなかったら、文章は存在しないのと同じことになる。書き手の「伝えたい」思いを伝える以前の問題だ。

結局、すべては「読みたいという気持ちを起こさせること」から始まる。