『デザインノート』No.20で折形デザイン研究所・山口信博さんにインタビュー

さてさて、『デザインノート』*1No.20が発売になりました。2004年11月に創刊以来、季刊→隔月刊で発行してきた『デザインノート』も、もう20号になるんですね。2号から関わっているので、なんだか感慨深いです。さて、今回の特集は「空間とマテリアル」。

今回わたしは、折形デザイン研究所 | homeの山口信博さんにインタビューしてきました。「折形」とは室町時代から伝えられてきた日本独特の礼法の一つで、ものやお金をだれかに贈る際に紙で包む作法のことです。1枚の紙はまぎれもなく平面であるのに、ひとたび折る、たたむという行為を加えると、それはたちまち立体としての性質を帯びます。山口さんの手にかかると、1枚の紙は多彩な形へと変化を遂げ、ありとあらゆるものを包み上げていくのです。特に、記事で詳しく紹介している「色と形を遊ぶペーパー・トイ“Ori Qbic”」は、もともとはA4 1枚の紙なのに、さわってみると積み木のようなおもしろさ。1枚の紙に秘められた可能性は、わたしが考えているよりはるかに広大なのだということを思い知らされた、楽しい取材でありました。

折形デザイン研究所としての活動のほか、「デザイナー・山口信博」としての活動、作品も紹介しています。なかでも深澤直人さんの著書『デザインの輪郭』のブックデザイン、とりわけトレーシングペーパーのカバーに凝らされた仕掛けの巧みさには本当に唸らせられました。紙はそれ自体としてもさることながら、それを用いた表現の可能性は実に奥深い。そのことを思うだけでワクワクしてきます。
よかったら書店でお手にとってご覧くださいね。

▼折形デザイン研究所の著書たち。

折る、贈る。

折る、贈る。

礼のかたち―こころには、姿がある。

礼のかたち―こころには、姿がある。

生活を楽しむ7 半紙で折る折形歳時記 (別冊太陽―生活をたのしむ)

生活を楽しむ7 半紙で折る折形歳時記 (別冊太陽―生活をたのしむ)

*1:公式サイト http://design-note.jp/