『イラストノート』No.7で宇野亜喜良さんにインタビュー


季刊『イラストノート』No.7(2008/07/16発売)*1にて、巻頭の宇野亜喜良さんインタビューを担当しました。全12ページというボリュームで、インタビュー、絵本を中心とした作品紹介、そして色鉛筆と水彩で描く繊細なイラストレーションのメイキングまでをつぶさに紹介しています。

…とにかく緊張した仕事でした。なにしろ宇野亜喜良さんといえば、1950年代にグラフィックデザイナーとして鮮烈にデビューし、1960〜70年代にかけては「天井桟敷」の舞台美術をはじめとするスキャンダラスなイラストレーションで世に衝撃を与え続けてきた方。まだ日本にグラフィックデザイナー、イラストレーターといった職業が確立されていない時代のなかで、その作品と存在感でそれらの職業を世に知らしめ、牽引されてきた方なのです。まぎれもなく、時代を築き上げてきた作家のお一人といえるでしょう。

そんな宇野さんは、過激なイラストレーションの印象とは裏腹に、穏やかな表情で静かに語る紳士でした。撮影ではかなりいろいろなショットをお願いしたのですが、こちらからのどんなお願いにも、嫌な顔をするどころか「おもしろいですねぇ」と協力してくださる。取材のところどころで「(記事が)おもしろくなるのなら、いいですよ」とつぶやいていらしたのが印象的。面白いモノを作ることに労力を惜しまない方なのだなと。そしてそうつぶやく宇野さんの瞳の奥には、少年のような輝きがキラリとのぞいていました。穏やかだけれど内に旺盛な好奇心と情熱を秘め、心に少年を宿した方なのですね。緊張しながらも、とても楽しい取材でした。

全体で12ページあったので、メイキングだけでも3ページとるというぜいたくな構成です。宇野さんがどんなふうにイラストレーションを描いているのかを見てみたい方、書店でぜひ『イラストノート』を探してみてくださいね。今回は「絵本」特集です。

宇野亜喜良さんの絵本から
魔もののおくりもの ジャミパン おみまい ぼくはへいたろう―「稲生物怪録」より