新連載「名工の肖像」始めました。


“プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌”『デザインのひきだし』5号が発売されました!(amazonのデータを見ると6月9日発売になっているので、店頭に並ぶまでもう少しかかるかも。すみません)
第一特集は「凸凹な印刷・紙・加工テクニック」ということで、今回も濃い! 濃いです! 毎度のことですが表紙の加工からしてすごい! 彫刻版による箔+エンボス加工がふんだんに施されています。これは写真ではよくわからないですよ〜。ぜひ書店で実物をご覧ください。もちろん中にも印刷・紙・加工見本がたっぷり綴じ込まれています。いやー、本当にすごい。

……興奮してすっかり本題に入るのを忘れてしまいましたが(自分は関わっていないのに、特集のあまりの濃さについ興奮……)、この5号から「名工の肖像」という新連載をスタートしました。

本作り・もの作りの現場には、多くの職人が携わっている。
その道数十年、ひとつの仕事に従事して技を磨き、精進してこられた方々の生きざまには、現代のものづくりに携わる人々すべての道標となる生き方、考え方のヒントが隠されている。
名工たちへのインタビューと、仕事に取り組む姿を通して、そのヒントを探りたい。

……というコンセプトで、「その道数十年」、現場で「神様」と言われるような名工の方々のもとを訪ね、その人物像に迫ります。

記念すべき第一回は、三水舎の製本職人・町田邦雄さん。『広辞苑』初版時からその製本に携わり、串田孫一塚本邦雄白洲正子などの著書を数多く手がけてきた、この道60年超の「製本の神様」です。なぜこの道に入り、どのようにして腕を磨いてきたのか、良い製本とはどのようなものか、製本に込める思いとは……。実際に製本作業をしていただきながら、じっくりと語っていただきました。

トビラページには町田さんのポートレートを載せているのですが、この表情が……。真摯に年齢を重ねてきた方にしかできない、鷹揚なとてもいい笑顔なのです。もう、この写真だけをずっと見つめていたくなるくらい。目に宿る優しい光に、目尻の皺一本一本に、引き寄せられます。

製本作業の一部や、愛用の道具なども掲載しています。よかったらぜひぜひ、ご覧ください。

それからそれから……。
こちらもわたしが担当した記事ではないのですが、巻末特集「いい文字組みのために『目』を鍛えよ!」も素晴らしいです(クヤシイ〜!)。なにしろ、座談会のメンバーが工藤強勝さん(著書に『デザイン解体新書』など。デザイナー)、駒井靖夫さん(手動写植オペレーター)、祖父江慎さん(ブックデザイナー)、鳥海修さん(ヒラギノファミリーなどを制作した字游工房代表)という豪華メンバー! 工藤先生監修による「押さえておくべき文字組みのポイント」も見逃せません!

そんなわけで、どうぞみなさま、よろしくお願いいたします。

『デザインのひきだし 5』グラフィック社編集部編

デザイン・印刷・紙・加工テクニック情報が満載!
特集は「凸凹な印刷・紙・加工テクニック」

 自分の発想したデザインを、いかに効果的に印刷/加工表現するか。そんなデザイナーに必須な印刷・紙加工などの技術情報をわかりやすく紹介する『デザインのひきだし』。第5号である今号では「凸凹な印刷・紙・加工テクニック」を大特集。目立つ、情報が増える、価値が高まる、そんな凹凸した魅力ある制作物をつくるために必要な、印刷・紙・加工の特性やコストなど、おさえておかなくてはならない知識が満載。日本初のエンボス見本帳など、実物サンプルも満載で、今日からすぐ役立つ情報がギュッと詰まっています。
 
B5判・並製
総144頁(オールカラー・5種類の本文用紙)+初版限定2-5-2種、計9枚の付録付き
定価:本体2,000円(税別)
ISBN978-4-7661-1911-4 C3070

http://www.graphicsha.co.jp/cgi-bin/new_release.cgi?target=200806&uid=6f5fc9ebde7bfe1fa275af0a79c87814

デザインのひきだし 5―プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実 特集:凸凹な印刷・紙・加工テクニック

デザインのひきだし 5―プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実 特集:凸凹な印刷・紙・加工テクニック