<職人の哲学>江戸指物師・戸田敏夫氏インタビュー

「哲学を生活に活かし、人間力を磨く」雑誌『人間会議』2006年夏号*1にて、<職人の哲学>という記事の取材執筆を行ないました。
記事の冒頭がこちら↓で見られます。
http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/ningenkaigi/article.html

日本に古来から連綿と続いてきた伝統工芸。日本人が誇りとする「ものづくり」で、師から弟子へと受け継がれてきた哲学のなかには、今を生き抜く考えが隠されている。

技を極めた職人を訪ね、現代に通ずる「ものづくりの哲学」を聞いた。

江戸指物との出会いは3年前。大学時代の恩師・小泉和子先生が主宰する昭和のくらし博物館*2で行なわれた展示を見てのことでした。初めて触れる指物の木目の美しさと仕事のすごさ、見えないところに技術が尽くされた粋に一目惚れ。以来、いつか指物師のお話を聞きたい、取材したいと思い続けてきたところへ、取材先探しから込みでの原稿依頼。うれしかったです。

取材したのは江戸指物協同組合*3の理事長を務める戸田敏夫さん。希代の名工と言われた島崎國治氏に師事した方です。木材で埋め尽くされた仕事場を尋ね、師からの教え、仕事についての思い、現代の暮らしと江戸指物について…など、じっくりとお話を伺ってきました。すべてを記事に載せられなかったのが残念でならないほど、それは示唆に富んだお話でした。

そして温厚な笑顔が印象的な戸田さんが、ひとたび鉋を手にし、最高峰と言われる桑の木を削りだした瞬間に、仕事場の空気が熱気と緊張感で満たされ、眼に鋭い光が宿っていく…その様子を、紙幅が許すならばすべてお見せしたいところでしたが…、それでも、大切なメッセージは記事に込めたつもりです。
書店で見かけることがありましたら、ぜひご覧いただけるとうれしいです。