『紙とコスト』

紙とコスト―COST:VALUE

紙とコスト―COST:VALUE

タイトルを聞くと印刷とか製本とかの専門家向けみたいで 興味をそそられる人は少ないかも知れないけれど、手前味噌ながら実はなかなか面白い本。
私たちの生活に、紙は欠かせない存在です。
本や雑誌を始め、包装紙やパッケージ、バッグなど、紙を使用したものは数多くあります。 それぞれの紙には、実は「その紙でなければならない理由」があることが多いのです。
例えば、広辞苑
全3000ページもに及ぶ辞書を実用的な厚みに抑えるには、ごく薄い紙でなくてはなりません。けれども薄さだけを追求して裏側に印刷された文字が透けて見えたり、すぐに破れてしまっては使えない。薄さ、不透明性の高さ、丈夫さのすべてに配慮して作られた紙、それが広辞苑の本文用紙なのです。
そのほかにもカルピスやコアラのマーチキョロちゃんでおなじみのチョコボール紀伊国屋のショッピングバッグ、MONO消しゴムの紙などなど、おなじみの商品がたくさん登場して、全体を通して「なぜ、その紙なのか」を解き明かしたコラムを集めています。 写真中心の構成なので、パラパラめくっているだけでも楽しい1冊。
「理由あり紙」(機能紙)の章を中心に、章末コラム(全部)などの執筆を担当しました。